口説いてんの?

「薫さんが嫌なら、もうしませんから」

「・・・うん・・・」

「嫌いにならないで下さい」

薫子の愛想のない答えに

彼は涙声になっていた。

「ごめん、痛すぎて頭が回ってないかも。

 でも、嫌いにはならないよ」

彼は、良かったぁ、と安堵の息を漏らした。

薫子は、暫くして痛みが薄れると

急に喉の渇きを感じ

凪斗の枕元にあるペットボトルを指差した。

「ごめん・・・ジュース取って欲しい」

「口移しで飲ませてあげます」

彼は嬉しそうに微笑みながら

薫子を見下ろした。

「いいよ」

「してあげたいんです」

彼は、薫子がしてあげたように

唇を合わせ、少しずつ落とした。


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