冷徹御曹司との運命の再会 〜隠していた双子ごと愛されました〜
 その日の夜、子供達は今日も篤史の客間で眠りについていた。

「昼間にたくさん遊んだから、あっという間に眠ったな」

 篤史は自分の布団で子供達が寝てくれることが嬉しくてたまらない様子で顔をほころばせていた。

「篤史さん、お仕事は大丈夫でしたか? お昼寝の後もたくさん遊んでくださって……」
「大丈夫だ。二人がお絵描きしている間は、隣で仕事出来たからな」

 子供達はすっかり篤史にべったりだ。

(明日、篤史さんが帰るときには泣いちゃうんだろうな)

 二人のことを思うと胸が痛い。でも、もう夢から醒める時なのだ。

「明日の午前中には通行規制が解除されるようですから、もう安心ですね」

 千恵が笑顔を作ってそう言うと、彼は真剣な眼差しで押し黙った。

「なあ千恵」

 篤史の低い声に心臓がドキリと音を立てる。

「この子達、やっぱり俺との子なんだろう?」

 確信を持って発せられた言葉に、千恵の瞳が揺らいだ。

「どうして……」
「かくれんぼが始まる時、ずっと鏡越しに皆を見ていただろう? あの表情を見たら、誰だって気づくさ」

 そっと手を握られ、もう逃げることも出来なかった。
 観念してこくりと頷く。もう隠せなかった。

「ごめんなさい。貴方に、迷惑はかけないからっ……」

 謝った瞬間、篤史が千恵をぎゅっと抱き寄せた。息が止まりそうなほどの力強さで彼に包まれる。
 背中越しに感じた彼の手は震えていた。

「もう二度と離さない。湊斗も紬も……千恵も。絶対に」

 掠れた声が千恵の耳を撫でる。千恵も腕を回して篤史に抱きついた。
 頬を伝う涙が彼のシャツに触れて消えていく。
 二人は見つめあって、口づけを交わすのだった。


< 31 / 59 >

この作品をシェア

pagetop