一夜のあと、君に溺れる
「おーい、夕飯できたよ」
大ちゃんに呼ばれてダイニングへ行くと、テーブルには大皿料理がたくさん並ぶ。短時間でこんなにも作れるなんて、杏子さんの言う通り、大ちゃんはやっぱりお料理上手だ。
「さーちゃん、ここ座って」
言われるがまま座ると、大ちゃんが取り皿におかずを少しずつ取ってくれる。あまりにも甲斐甲斐しいので、嬉しいよりもちょっぴり恥ずかしい。私、何もやらない彼女みたいじゃない……。なんて思っていると、ご両親のニヤニヤが止まらなくなっていた。
「桜子ちゃん、愛されてるわねぇ」
「えっ、愛?!」
「あー、羨ましい」
お母さんがお父さんを見て「はー」と大きなため息をつくので、お父さんは飲んでいたお茶をゴフッと吹いた。
「お、俺だって、まだまだ君のことを愛してますよ」
「桜子ちゃん、こうやって尻に敷くのよ」
「母さん、さーちゃんに変なことを吹き込まないで」
「あー、やれやれ。ありがたい話も聞けたし、いただこうかね」
「ばーさん、俺も愛しているよ」
「当たり前だよ。夫婦なら一生愛し続けなさいな」
あっはっはっと、明るい笑い声がダイニングに響く。そんなご家族に対して、大ちゃんはちょっぴり恥ずかしそうな困った顔をしていたけれど、私だって言いたい。
「あの。私も、大ちゃんのこと愛してます!」
この気持ちは誰にも負けないというつもりで言ったのだけど、急にしんとなる宮越家。そして、みんなの視線が一斉に私へ。そして大ちゃんへ移っていく。その流れに引き寄せられるように、私も大ちゃんを見た。
全員に注目された大ちゃんは、至極真面目な顔で私を見つめる。胸の奥で、心臓がドキッと跳ねた。
「愛してるよ、さーちゃん」
「えっ、えっと……」
あまりにも真っ直ぐで曇りのない言葉は、私の胸を容易く射抜いた。私から愛していると主張したはずなのに、今はただ、どうしようもなく嬉しくて恥ずかしい。顔に熱が集まるのがわかった。
「なんかお母さん、お腹いっぱいになってきた」
「青春だねぇ、うんうん」
「赤飯でも炊いたらどうかね?」
「明日の賄いは、赤飯にでもするか」
「もういいから、冷める前に夕飯食べない?」
次々に飛び出す家族の言葉に、思わず笑いがこみ上げる。照れくささと嬉しさが入り混じって、私の胸の奥はぽかぽかとあたたかくなった。宮越家にいると、まるで春の陽だまりの暖かさを感じる。
それはとても心穏やかで、こんな幸せな時間をくれることに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになった。
大ちゃんに呼ばれてダイニングへ行くと、テーブルには大皿料理がたくさん並ぶ。短時間でこんなにも作れるなんて、杏子さんの言う通り、大ちゃんはやっぱりお料理上手だ。
「さーちゃん、ここ座って」
言われるがまま座ると、大ちゃんが取り皿におかずを少しずつ取ってくれる。あまりにも甲斐甲斐しいので、嬉しいよりもちょっぴり恥ずかしい。私、何もやらない彼女みたいじゃない……。なんて思っていると、ご両親のニヤニヤが止まらなくなっていた。
「桜子ちゃん、愛されてるわねぇ」
「えっ、愛?!」
「あー、羨ましい」
お母さんがお父さんを見て「はー」と大きなため息をつくので、お父さんは飲んでいたお茶をゴフッと吹いた。
「お、俺だって、まだまだ君のことを愛してますよ」
「桜子ちゃん、こうやって尻に敷くのよ」
「母さん、さーちゃんに変なことを吹き込まないで」
「あー、やれやれ。ありがたい話も聞けたし、いただこうかね」
「ばーさん、俺も愛しているよ」
「当たり前だよ。夫婦なら一生愛し続けなさいな」
あっはっはっと、明るい笑い声がダイニングに響く。そんなご家族に対して、大ちゃんはちょっぴり恥ずかしそうな困った顔をしていたけれど、私だって言いたい。
「あの。私も、大ちゃんのこと愛してます!」
この気持ちは誰にも負けないというつもりで言ったのだけど、急にしんとなる宮越家。そして、みんなの視線が一斉に私へ。そして大ちゃんへ移っていく。その流れに引き寄せられるように、私も大ちゃんを見た。
全員に注目された大ちゃんは、至極真面目な顔で私を見つめる。胸の奥で、心臓がドキッと跳ねた。
「愛してるよ、さーちゃん」
「えっ、えっと……」
あまりにも真っ直ぐで曇りのない言葉は、私の胸を容易く射抜いた。私から愛していると主張したはずなのに、今はただ、どうしようもなく嬉しくて恥ずかしい。顔に熱が集まるのがわかった。
「なんかお母さん、お腹いっぱいになってきた」
「青春だねぇ、うんうん」
「赤飯でも炊いたらどうかね?」
「明日の賄いは、赤飯にでもするか」
「もういいから、冷める前に夕飯食べない?」
次々に飛び出す家族の言葉に、思わず笑いがこみ上げる。照れくささと嬉しさが入り混じって、私の胸の奥はぽかぽかとあたたかくなった。宮越家にいると、まるで春の陽だまりの暖かさを感じる。
それはとても心穏やかで、こんな幸せな時間をくれることに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになった。