一夜のあと、君に溺れる
「私が至らないばかりに、……何とお詫びしていいのか」
「お詫びなんていらないから、こうしてたまに遊びに来てちょうだいよ。杏子も結婚して出てっちゃったし、寂しいのよね」
「そうそう。それに、桜子ちゃんと一緒にいる大福が、すごく生き生きとしてるんだ。これからも仲良くしてやってよ」
「そんな、それはもちろんですし、私の方こそお願いしたいです」
ご両親にそんな温かい言葉をかけてもらえて、胸がぎゅっと詰まる。こんな至らない私のことを、受け入れてくださることに、目頭がじわっと熱くなった。
「桜子ちゃん、ちょっとおいで」
仏壇にお供えする用のご飯が盛られた器を持ったお祖母様が、ちょいちょいと手招きしながら仏間に入っていく。後に続くと、鈴を鳴らして南無阿弥陀仏と合掌するので、私もお祖母様に倣って手を合わせた。
「数珠、失くなったらしいね」
「あっ、ごめんなさい。いつの間にかストラップが切れてしまって」
「数珠が散らばってたおかげで桜子ちゃんをすぐ見つけられたって、大ちゃんが言ってたからねぇ」
「数珠が守ってくれたんですか?」
「そうかもしれないし、たまたまだったかもしれない。もしかしたら、桜子ちゃんと大ちゃんの絆の力だったかもしれない。信じるものは救われるって言うでね」
「はい、信じます」
「素直な桜子ちゃんには、これをあげよう」
手のひらに載せられたのは、新しい数珠ストラップ。以前に貰ったものとは違う、綺麗な赤やオレンジに白色の縞が入っている石だ。とても愛らしく可愛らしい。
「魔除けですか?」
「これは、ばーちゃんが趣味で作ったビーズアクセサリー」
「手作りですか? すごい! お祖母様って何でもできるんですね」
「桜子ちゃん、ばーさんは多趣味なんだよ。いちいち付き合ってると大変だよ」
お祖父様が呆れたように口を出す。お祖母様はすかさずキッと睨むので、お祖父様はすごすごと引き下がった。そんな光景は日常茶飯事なのか、お父さんもお母さんもニコニコしている。
新しいストラップをスマホに付けると、オレンジ色の石が優しくピカピカと揺れた。
「お詫びなんていらないから、こうしてたまに遊びに来てちょうだいよ。杏子も結婚して出てっちゃったし、寂しいのよね」
「そうそう。それに、桜子ちゃんと一緒にいる大福が、すごく生き生きとしてるんだ。これからも仲良くしてやってよ」
「そんな、それはもちろんですし、私の方こそお願いしたいです」
ご両親にそんな温かい言葉をかけてもらえて、胸がぎゅっと詰まる。こんな至らない私のことを、受け入れてくださることに、目頭がじわっと熱くなった。
「桜子ちゃん、ちょっとおいで」
仏壇にお供えする用のご飯が盛られた器を持ったお祖母様が、ちょいちょいと手招きしながら仏間に入っていく。後に続くと、鈴を鳴らして南無阿弥陀仏と合掌するので、私もお祖母様に倣って手を合わせた。
「数珠、失くなったらしいね」
「あっ、ごめんなさい。いつの間にかストラップが切れてしまって」
「数珠が散らばってたおかげで桜子ちゃんをすぐ見つけられたって、大ちゃんが言ってたからねぇ」
「数珠が守ってくれたんですか?」
「そうかもしれないし、たまたまだったかもしれない。もしかしたら、桜子ちゃんと大ちゃんの絆の力だったかもしれない。信じるものは救われるって言うでね」
「はい、信じます」
「素直な桜子ちゃんには、これをあげよう」
手のひらに載せられたのは、新しい数珠ストラップ。以前に貰ったものとは違う、綺麗な赤やオレンジに白色の縞が入っている石だ。とても愛らしく可愛らしい。
「魔除けですか?」
「これは、ばーちゃんが趣味で作ったビーズアクセサリー」
「手作りですか? すごい! お祖母様って何でもできるんですね」
「桜子ちゃん、ばーさんは多趣味なんだよ。いちいち付き合ってると大変だよ」
お祖父様が呆れたように口を出す。お祖母様はすかさずキッと睨むので、お祖父様はすごすごと引き下がった。そんな光景は日常茶飯事なのか、お父さんもお母さんもニコニコしている。
新しいストラップをスマホに付けると、オレンジ色の石が優しくピカピカと揺れた。