時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜
 如何にもと言うホテルの部屋には事を致す為だけに存在しているような大きなベッドだけがどんと部屋の真ん中に設置してあった。

 ラブホテルなんて滅多に来ない私は緊張していた。入ったのなんて大学生の時以来だ。当時付き合っていた彼氏に誘われるままホテルに入り、欲望のまま何回もその行為に至った事を思い出した。

 そんな恥ずかしい大学時代の思い出を頭の中で反芻して誤魔化したくなるくらい、今この瞬間職場の同僚とこんな所に来てしまっていることが恥ずかしかった…。

 「向日葵さん、シャワー浴びますか⁇」

 不意に聞かれ、私は「あっ、大丈夫…」と咄嗟に答えてしまった。

 「じゃあ、いいですね」

 彼が私にゆっくりと近付き、ワイシャツのネクタイを緩めて私を抱き寄せた。それが合図みたいに私は時田くんにゆっくりとベッドに押し倒された。

 上着のジャケットを脱がされ、ゆっくりとブラウスのボタンを外されると、彼が私の首筋にゆっくりとキスをした。

 彼の手が私のスカートの中に入ると、私は自分の欲が満たされて自分の身体が喜んでいるのを感じた。

 彼が私の唇にキスをしようとする。それを私は「時田くん待って」と人差し指で静止した。

 「やっぱり嫌でしたか⁇止めておきますか⁇」

 彼が心配そうに私の瞳を見つめる。その目には本当は余裕なんかなくて、彼も緊張しているみたいだった…。

「……嫌な訳じゃないけど、私達本当にこんな関係になっちゃっていいのかな⁇時田くんはそれで後悔したりしないかな⁇……」

 時田くんとこういう関係になったら、もう後戻りは出来ない気がする。これが、私への最後の警告で、引き返すチャンスのような気がした。

 「俺は後悔したりしませんよ。ここまで来てもう後戻りは出来ないです。向日葵さんこそ俺とこうなって後悔しないですか⁇」

 時田くんの言葉に私は一瞬戸惑ってしまった…。時田くんと本当に関係を持ってしまったら、私は後悔するに決まっている…。でも、私の身体が彼を欲しがっていた…。

 「分からない…。後悔するかもしれない。でも、私は今時田くんが欲しい…。それだけじゃダメかな⁇」

 「俺も、向日葵さんが欲しいです。」

 その言葉を合図に時田君がゆっくりと私の唇にキスをした…。優しいキスに少し驚くくらいだった。それから舌を絡めたキスをするとチュッチュと卑猥な音が部屋中に鳴り響いた。

 (……本当に性欲処理を目的とするだけの関係なんて成り立つのかな……⁇)

 私の頭の中を一瞬一抹の不安が過っていく。でも、そんな不安は私の中にゆっくり入ってくる彼の動きに掻き消された。

 自分の欲望の為だけに快感に身を任せている私は、こんなに自分が淫らな奴だと認めたくなくて、時田くんにギュッと抱きついた。

 彼の動きに翻弄されて彼の下で喘ぐ私は心も体も満たされて言いようのない幸福感と快感の渦に飲み込まれる。

 二人で感じ合い、快感の波に飲まれた私達は、二人で果てた…。






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