時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜

3.秘密の関係と契約

 会社で仕事をしていると嫌でも忙しくなり、1日があっという間に過ぎていく。特に今は来月に行われる社内コンペを勝ち取るために、候補者はみんな躍起になって働いていた。

 「向野、時田、今度の社内コンペは二人であらそってもらう。社長も今度のコンペは期待しているから、張り切って頑張ってくれ。」

 いつもなら闘争心むき出しで頑張れる私も、この前時田くんと致してしまった情事の事を考えると、前のように敵意剥き出しでライバル心を前面に表に出して今まで通りに接する事など、出来ない自分がいた。

 「向野さん、俺絶対に負けないので、手加減せずよろしくお願いします。」
   
 負けん気なら私にも負けていない時田くんの言葉で少し救われた気がする。

 「も、勿論。私だって絶対に負けないから。」
  
 笑い合って言い合う私達は、どこからどう見ても社内で争うただの同僚だ。

 あの後どうなったのかと聞かれれば、何事もなかったかのように会社では普通に同僚として接している私達がいた。

 ただ一つ違うところがあるとすれば、毎週金曜日がお互いの性欲を満たす日として制定されたと言う事くらいだ。

 それが、性欲処理係として名乗り出た時田くんからの私への提案だった。

 「私達やっぱり会社の同僚だし、ライバル同士だし、こういう関係は今後の仕事に支障をきたすといけないから、昨晩のことは綺麗さっぱり忘れて何もなかった事にしてただの会社の同僚に戻ろう…。」

 時田くんと関係を持った事を後悔している訳ではなかった。私の人生の中でこんなに満ち足りた体験が出来たことはなかったくらい、時田くんとの行為は私を幸福に満たしてくれるものだった。

 だけど…きっとこの先も関係を続けていたら、私はきっと沼にハマってしまう…。ただの会社の同僚という枠を超えて特別な存在になってしまいそうで、それはこれからも一緒に仕事をしていく仲間として、絶対にタブーな事のように感じた。

 言うであればそれは時田くん沼と名のつく沼にハマってしまうようなもので、そこにハマったら私はもう一生出られないような警告が私の心の中で鳴り響いていた…。
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