時田君と私の秘密の契約〜毎週金曜日の秘め事〜
 彼はまたコップに注いだビールん一口飲むと、何かを決意したように憤っている。私は「はぁ…利害の一致…」と間抜けに反応してはみるけれど、「って、さっぱり意味がわからないよ⁈」と直ぐに我に返った。

 「第一、そんな係引き受けて、時田くんに何の得があるの⁇時田くんには何のメリットもないようにしか思えないんだけど⁇」

 性欲処理係と言う事は、つまり時田くんに私の欲の捌け口になってもらうという事だ。そんな事職場の同僚の時田くんに頼める訳がない。  

 「俺にもメリットはあります。実は俺も、今は特定の恋人は作りたくないんです。だから、俺に溜まった欲の捌け口になってもらう意味でも、向日葵さんは都合が良いんです」

 つまり…時田くんも今は特定の恋人を作りたくなく、欲が溜まっている者同士、性欲処理だけを目的とした関係を築こうと…⁇それを私に承諾しろと…⁇

 「いやいや⁈そんな関係良い訳ないよ⁈しかも私達職場の同僚な訳だし…この話は聞かなかったことにするから、時田くんも私が言った恥ずかしい事は綺麗さっぱり忘れて」

 ジョッキに残っていた梅干しサワーを一気に飲み干すと、私は時田くんの突拍子もない申し出を全力で断った。

 「時田くんやっぱり酔い過ぎ。今日はもう帰ろう」

 席を立とうとした私は時田くんに腕を掴まれた。時田くんの表情は真剣でタチの悪い冗談を言っているようには見えない。

 「逃げるんですか⁇今帰ったら俺に負けた事になりますよ⁇」

 どうして彼は私の心を刺激して一々神経を逆撫でするような事を言うんだろう…。負けるという彼の言葉に私は闘争心が湧き、「分かった…私達性欲処理を目的とするだけの関係になろう」と憤ってつい売り言葉に買い言葉のように彼に宣誓布告してしまった…。
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