傲慢すぎる警視に衛られて愛される
美憂の声は静かだった。


「あなたも傷ついてた。でも逃げてない。今日こうして来てくれた」


愛は美憂の腕の中で泣いた。

どのくらいの時間が経ったのだろう。

美憂は愛をずっと抱きしめていた。

ようやく落ち着いた愛は口を開いた。


「私、ストーカー案件の部署に入ったの」

「うん」

「お姉ちゃんのためって思ってたけど、本当は……自分のためだった。何もできなかった自分を少しでも許したくて。誰かを助けたら、何かが変わる気がして」


美憂が愛を少し離して顔を見た。


「それでいいじゃない」

「え?」

「愛らしい動機よ。誰かを救いたいって思えるほど、あなたは強くなった」


愛は美憂を見つめた。

傷跡を隠した化粧の下で、姉は笑っていた。

9年間、ずっと。

それでも笑っていた。


(お姉ちゃんの方が、ずっと強い)
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