傲慢すぎる警視に衛られて愛される
一瞬、澪の顔が頭をよぎった。

病院のベッドに横たわっていた、あの顔。

愛は悔しそうに顔を歪めた。

美憂が愛の背中をゆっくりとさする。


「……私は誰も救えていないの」

「だったら、これから救えばいいじゃない。たくさんの人を救ったらいい」


愛は美憂にぎゅっと抱きついた。

しばらく、2人はそのままでいた。


「愛が正直に話してくれたから、私も言うね」


美憂の声が、少し変わった。


「うん」

「私、本当はすごく怖い。毎日、怖い」


愛はハッとして美憂の顔を見上げた。

美憂は泣きそうな表情をしていた。


(いつも笑っていた姉が。いつも大丈夫だと言っていた姉が――)


「やっぱり、怖いよ。愛……」

「お姉ちゃん」


愛の声が震えた。


「私がいるから。私が必ず護って見せるから」


美憂の頬を涙が伝った。

愛は美憂を強く抱きしめた。

姉の身体は、思っていたより小さかった。

こんなに小さな身体で、9年間、怖いと言えずにいたのだ。


(絶対に護る)
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