傲慢すぎる警視に衛られて愛される
「私はやっぱり姉をこれ以上、傷つけたくありません」

「だから!」


逢坂がイラついた様子で声を発する。


「でも! 姉をずっと護衛することはできないのはわかっています」


逢坂は黙って愛を見つめた。


「だから逢坂さんの言う犯人を必ず逮捕するというのには賛成です」

「だったら」

「だから……私が囮になります」

「は?」

「私が姉のふりをして囮になります。それなら良いですよね」


逢坂は愛をじっと見つめた。

驚きを隠せていなかった。

愛の後ろの窓から、満月が見え視線をそれに向けて動揺を誤魔化した。

愛はまっすぐ逢坂を見返していた。

逢坂は何も言えなかった。

言葉を探しているのか、再び愛を見つめる。

その瞳はわずかに揺れていた。

室内が何もかも静止したような沈黙が落ちていた。
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