傲慢すぎる警視に衛られて愛される
「……バカか、お前」

「なんで? いい考えだと思います。事件には出来るし、未然に防いではいない」

「顔も体型も全然違う。身代わりは無理だ」

「暗ければわかりません。結婚式は夜の披露宴まであります。その間に中田は動くはずです」

「素人が考えた作戦だな」

「姉を傷つけるよりいい作戦です」


逢坂は舌打ちして、窓の方に歩いた。

満月を見上げる横顔は、いつもより険しかった。


「……お前が傷ついたら」

「え?」


逢坂が振り返った。


「いや……」


愛は逢坂を見つめた。


「もし中田が身代わりだと気が付いたら怒りで何をしてくるか」

「逢坂さんがいれば大丈夫です」


逢坂が勢いよく振り返る。

眉間に皺が寄っていた。


「俺を信用するのか」

「はい」


迷わずに答えた。


(なんで私、この人のことを信用しているのだろう)


逢坂は小さくため息をつく。


「……俺の隣にいろ」

「え?」

「当日、ずっと俺の隣にいろ。それが条件だ」


愛は逢坂を驚いたように見つめた。


「ありがとうございます」


胸の中が静かにうるさかった。
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