傲慢すぎる警視に衛られて愛される
翌日の朝、対策係のメンバーに逢坂から愛に美憂のふりをして囮作戦を決行する旨が伝えられた。

反対する人は意外にもいなかった。

現在は作戦を具体的に話し合っている最中である。

竹内のパソコンを囲むように、愛と真理恵が立っていた。


「おそらく顔に同じ傷をつけるほど執着しているなら、結婚式場のホームページなども確認していると思いまして。ほら、やっぱり」

「これって?」

「中田のスマホをハッキングして検索履歴を調べたんです」


愛はギョッとして竹内を見た。


「奴は毎日、見ています」

「嫉妬か、それとも自分と美憂さんが結婚式をあげるところでも想像しているとか」


真理恵がさらっと言った。

愛の顔があからさまに引きつる。

竹内がわざとらしく咳払いした。


「あ、ごめん。今まで色んなストーカーの話を聞いていたから想像力が豊かになっちゃって」

「いえ、ありえそうだなと思って」

「で、どうするの?」


竹内がパソコンの画面を指差した。


「毎日見ているなら、ホームページを書き換えるのが良いかと思います」

「書き換える?」

「ホームページのトップにお知らせを貼り付けて、建物内の設備に不具合が生じたということで工事をすることにするんです。日程を結婚式当日にして、その日は誰も入れないとなれば」

「なるほど! 問い合わせをしてくる」

「そしたら嘘の日程を伝えるんですね!」


竹内が得意げな顔をした。


「そういうことです」


真理恵が竹内の髪をわしゃわしゃとかき回した。


「やめてください!」


竹内がムスッとした顔で真理恵を睨む。

その瞬間、愛が竹内の手を両手で包んだ。


「ありがとう! 竹内さん!」


竹内の顔が、みるみる赤くなった。


「し、仕事だから! 仕事!」


真理恵が愛と竹内を交互に見て、にやにやと笑っている。

竹内は愛から手を引き抜いて、ヘッドフォンをぱっと装着した。

耳まで真っ赤だった。
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