傲慢すぎる警視に衛られて愛される
逢坂がスープを一口飲んでから、続けた。


「中田から式場に連絡がきた」


愛はむせた。


「本当ですか!?」

「ああ。竹内の作戦はうまくいった」

「日程変更になったと伝えたんですね」

「プランナーに新郎のふりして問い合わせが来た。プランナーには一週間前の日程を伝えてもらっている」

「じゃあ、作戦は今週末に」

「そうだ」


逢坂が愛の方を向いた。

川沿いの風が吹いて、屋台の提灯が揺れる。


「お前が囮になって、作戦を決行する」


愛は逢坂を見た。

逢坂もまっすぐ愛を見ていた。

屋台の喧騒も、川の音も、全部が遠くなったような気がした。


「はい」


愛は頷いた。

逢坂は一瞬だけ何かを言いかけて、またラーメンに向き直った。


「冷めるぞ」

「はい」


愛は笑って、ラーメンをすすった。

隣で、逢坂も黙って食べていた。


(怖くないと言ったらウソになる。それでもこの高慢な上司が傍に居てくれるということが愛には何よりも心強かった)
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