傲慢すぎる警視に衛られて愛される
中田がナイフを見せつけながら、にやにやと笑っていた。


「死んでくれ」


ナイフが振り下ろされる。

愛は首を押さえてぎゅっと目を閉じた。

衝撃は来なかった。

代わりに荒い息遣いが耳元に聞こえた。


「誰だ! お前! 俺たちの邪魔をするな!」


続いて中田の怒号が響く。

愛はゆっくりと目を開けた。

至近距離に逢坂がいた。

逢坂が愛に覆いかぶさっていたのだ。

愛は中田の手元を見る。

中田はナイフを持っていなかった。

その時、タキシードの肩から、愛の白いドレスにじわりと赤いものが広がってきた。

愛は逢坂の肩を見た。

ナイフが、深く刺さったままだった。


「逢坂さん!?」


次の瞬間、中田の手がベールを引き剥がした。


「美憂ちゃんじゃない! 誰だ!」


逢坂が振り返りざまに中田の腕を掴んだ。

そのまま、地面に叩きつける。


「ぐわっ」

「触るなぁぁあ!」
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