傲慢すぎる警視に衛られて愛される
昼過ぎ、給湯室に行くとコーヒーメイカーの前に逢坂がいた。

愛は一瞬、足を止めた。


(入るか、戻るか)


一秒悩んで入った。

逢坂は愛を見なかった。

愛は貯金箱に三十円を入れて、コップを手に取った。


「先週のことだが」


逢坂が、前を向いたまま言った。


「はい」

「お前はよくやった」

「え?」

「それと……怖い思いをさせたな」


愛はコップを持ったまま固まった。


「以上だ」


逢坂はコーヒーを持って出て行った。

愛はそのまま動けなかった。

コーヒーメイカーがぽこぽこと音を立てている。


(ほんと、なんなのもう)


自分の心臓じゃないみたいにドキドキしていた。
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