傲慢すぎる警視に衛られて愛される
シャワーの音が、狭いバスルームに響いた。

愛は熱めのお湯を頭から浴びる。

雨でかじかんだ身体に、じわりと温もりが戻ってくる。


(現実? これ、現実?)


ぼんやりとしていた頭が、少しずつ動き始めた。


(逢坂さんが追いかけてきた。逢坂さんが、好きだと言った。逢坂さんが、キスを……)


愛は自分の唇に触れた。


(どうしよう)


愛は顔をお湯に向けた。

頬がお湯より熱い気がした。


『お前のことになると理性がきかなくなるほど、好きだ』


逢坂の声が頭の中で蘇った。

愛は両手で顔を覆った。

今、リビングにいる逢坂のことを考えると、この後どうすればいいのか10分では全然、足りなかった。

愛はお湯を止めた。

タオルで髪を拭きながら、鏡に映った自分の顔を見た。

真っ赤だった。


(落ち着け、落ち着け)


深呼吸をひとつ。


(逢坂さんがリビングにいる)


全然、落ち着かなかった。
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