傲慢すぎる警視に衛られて愛される
「逢坂さん?」

「ここにこのまま俺がいるとお前に何をするか、わからない。だから今日は帰る」


逢坂の心臓の音が聞こえた。


(あ、私と同じように早い……)


愛は顔を上に向けて逢坂の顔を覗き込む。

逢坂の目が、愛をまっすぐ見ていた。


「……帰らないで……ください」


逢坂の目が見開かれる。


「本当に……帰るんですか」


逢坂はしばらく愛を見ていた。

それから小さくため息をついて、愛の頭に手を置いた。


「お前、そんな顔するなよ」


愛は逢坂にしがみついた。

精一杯の勇気だった。


「ほんと、お前のことになると全くわからねぇ」

「え?」

「俺のこと、怖いのかと」

「なんで?」

「それは」


逢坂は先ほど、手を振り払われたことを思い出したが口には出せなかった。


「いいから離れろ」


そのときになって愛は生肌の逢坂にしがみついていることに気が付いた。


「あ……すみません」

「とりあえず服だけ乾かす」

「は、はい」


逢坂の服を下着以外すべて風呂場に干し、乾燥モードを起動した。

逢坂は毛布に包まり、愛の入れた温かいお茶を洗面所で飲んでいた。


「ちょっとスウェット買ってきます」


愛がドア越しに行って出て行った。

逢坂はもう何も言わなかった。
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