傲慢すぎる警視に衛られて愛される
しばらくして早坂が笑い出す。


「そんなに面白いですか?」

「いや、いや~ごめん。そんなこと言われたのキミが初めてだよ。本当に素直だ」


早坂がファイルをローテーブルに置いた。


「そして、よく人を見ている」

「いや、私、人というか違和感に敏感で」

「なるほど、違和感……ねぇ」


愛の言葉を受けて、早坂はしばらく黙っていた。

沈黙は長くなかった。

でも愛には、やけに長く感じた。


「そうか」


 早坂は軽い口調で言った。


「じゃあ聞くけど、山下さんは今、僕を怖いと思っている?」

「いいえ」


即答した。

早坂が目を細める。


「それが怖い」

「え?」

「怖くないのは、僕を信頼しているからじゃない。自分を守る必要がないと思っているから」


愛は何も言えなかった。

早坂の声のトーンは穏やかなままだったが、言葉の芯には何か硬いものが混じっていた。


「さっき、カウンセリングを受けたことがあると言っていたね。高校生の頃。そのカウンセリングを今も続けないのはなぜ?」

「必要なくなったからです」
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