傲慢すぎる警視に衛られて愛される
病院のカフェテラスの窓から見える景色はすっかり真っ暗になっていた。

テーブルを挟んで、佳代子の向かいに愛と真理恵が並んで座っている。


「ストーカー犯罪対策係? あなた、今そんな部署にいるの?」

「嘘ついててごめんなさい。心配かけたくなくて」

「交番勤務って言ってたじゃない」


佳代子の声が低くなった。


「……はい」

「ずっと嘘ついてたの?」


愛は視線を逸らした。

テーブルの上に置いた佳代子の手が、わずかに震えている。


「いつからなの」

「数日前。対策係に異動になったから……でも、それ以前も、刑事の勉強はしてて」

「刑事?」


佳代子の顔が困惑から怒りに変わったのを真理恵は息を飲んで見守った。


「あなた、刑事になったの?」

「……うん」


しばらく沈黙が流れた。


「なんで」


佳代子の声は責めているわけではなかった。ただ、どこか疲れたような響きがあった。

それがわかり、愛は佳代子を見つめた。


「なんで嘘つくの! お母さんに」

「心配するから」

「当たり前でしょ!」


佳代子の声が上がった。

隣のテーブルの人が一瞬こちらを見て、またすぐに視線を戻す。


「あなたが警察官になった時も私にずっと黙っていて事後報告だったわよね」


佳代子の目に涙が浮かぶ。


「お母さん……」
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