傲慢すぎる警視に衛られて愛される
朝の対策係に、いつもと違う空気が流れていた。

逢坂、鳴海、竹内が椅子に座り、ホワイトボードの前に立つ愛と真理恵を見ている。

真理恵が口を開いた。


「山下美憂さん、山下さんのお姉さんはストーカー被害に遭っていました。犯人の中田昴は捕まったのですが、5年の実刑を経て、数年前に釈放されたんです。そして昨日、美憂さんの前に再び現れました。9年ぶりに」

「9年」


鳴海が腕を組んだ。


「釈放されて、また会いにいったのか。お姉さんには何を?」

「立って美憂さんを見ているだけで、何もされなかったようです。ただ……」

「ただ?」


愛は一瞬、言葉を止めた。


「あいつの顔には、姉と同じ傷がついていました」


真理恵が無言で写真をホワイトボードに貼る。

美憂の顔写真。

薄くて近くで見ないとわからないが傷は見て取れた。

右目の下から唇の下まで、斜めに走る大きな傷跡。


「ひどいな……」


鳴海の声が低くなった。


「お姉さんは中田に9年前、顔にナイフで傷をつけられました。その傷と全く同じものを、中田は自分の顔につけてきたのです」


逢坂が静かに言った。


「異常者だな」

「お揃いだね、って……笑っていたそうです」


室内が静まり返った。
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