傲慢すぎる警視に衛られて愛される
愛は答えなかった。

早坂はそれを見て、ふっと息を短く吐いて笑う。


「中田って男が、また現れるかもしれないって。お姉さんに何かするかもしれないって。そう思いながら、ずっと張り込んでいたんでしょ」

「仕事ですから」

「仕事だから怖くないわけじゃないよね」


愛は早坂を見た。

また、あの意地悪な笑みかと思ったが、違った。

真剣な顔で愛を見ていた。

それが余計に、愛には居心地が悪かった。


「先生」

「うん?」

「なんで、そんなに私のことを気にかけるんですか」


早坂は少し間を置いた。

グラスを手の中でゆっくりと回す。


「鳴海さんに頼まれたんですよね」

「……半分はね」

「半分は?」


カウンターの薄暗い照明の中で瞳が真剣な色をおびていた。


「半分は、僕が行きたかった」
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