傲慢すぎる警視に衛られて愛される

10章

朝の対策係は静かだった。

鳴海、真理恵、竹内がそれぞれのパソコンに向かい、逢坂はソファで資料を広げている。

しばらくして、逢坂が顔を上げた。

部屋をさっと見回す。

それに気づいた真理恵が振り返った。

逢坂と目が合う。

逢坂は何事もなかったように視線を資料に戻した。

真理恵はにたーっと笑った。


「鳴海さん」

「ん?」

「今日、山下さんは?」

「ああ、彼女なら会議室にいるよ。この前の市川澪って女子高生のことで話を聞かれてる」

「ああ、あの刺傷事件の」

「そう。被害者が刺される前に彼女を見たのは山下さんだからね。被害者が盗撮にも遭いそうになっていたのを未然に防いだから、ややこしくなってるみたいで」


その時、ソファから鼻で笑う声がした。

真理恵がぱっと振り返る。


「今、笑った?」

「別に」

「自業自得だと思ってるの?」


逢坂は資料から目を上げて、つまらなそうに言った。


「警察官なのに事件を未然に防ぐなんてやるからこうなるんだよ」


真理恵は近くにあったファイルを手に取り、逢坂に向かって振り下ろした。

逢坂はそれより一瞬早く立ち上がり、ファイルをかわしながら部屋を出ていく。

ぱたんとドアが閉まった。
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