傲慢すぎる警視に衛られて愛される
着いた先は住宅街の一角だった。

ようやく心臓が落ち着きを取り戻した。

逢坂が路肩に車を停める。

前方に古いアパートが見える。


「見張る相手は誰ですか」

「三浦健司、39歳。ストーカー本人だ」

「え?」

逢坂はそれ以上、何も言わない。


「資料も見せてもらってないので最低限だけ教えてください」


逢坂が無言で資料を愛に渡した。

愛はさっと目を通す。

ストーカーの写真を反射的に睨みつける。

その後、窓の外に視線を向けると、アパートの2階の端の部屋だけカーテンが薄く、明かりが漏れているのが見えた。


「被疑者は今、部屋にいますね」


逢坂が愛を見た。


「影が動いてます」


しばらく2人は黙って窓の外を見ていた。

夕暮れの住宅街は静かだった。


「……迫田さんから少し聞きました。捜査一課にいたこと」

「……」


逢坂のハンドルに置いた手に、わずかに力が入った。

愛は前を向いたまま、それを視界の端で見ていた。


「あの」


愛が逢坂を見た時だった。

正面を見ていた逢坂が舌打ちした。

愛が逢坂の視線の先を見る。


「え?」


愛が慌てて資料を見た。


「あの女性って……」

「やはり来たか」


愛が逢坂に説明を求めるように見つめる。
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