傲慢すぎる警視に衛られて愛される
彼女は紛れもなくストーカーの被害者だった。


「行くぞ」


逢坂がドアを開けたので愛も慌てて外に出る。

マンションを見上げているのは三浦にストーカーされていると訴えていた飯田奈美だった。


(なんで、こんなところに)

「……自分から会いに来た?」


愛は信じられない思いで呟き、眉間に皺を寄せた。


「逢坂さん」


奈美がマンションの入口に向かおうとした瞬間、逢坂が走り出した。

愛も後を追った。

逢坂が奈美の前に立ちはだかった。


「刑事さん!」

「何をしているんですか?」

「な、何って……」

「呼び出されたのか?」


奈美がわずかに頷く。


「こ、来ないと会社に行くって言われて」


逢坂が舌打ちする。


「とにかく車へ。ここは目立ちます」


愛が後ろから言った。


「飯田さん、こちらに」


奈美が逢坂と愛を交互に見た。


「彼女について車の中へ」

「でも……彼が待ってるから」

「部屋に入ったらダメだ」


逢坂の口調はきつかった。

奈美がビクッとする。


「大丈夫です。大丈夫」


愛は奈美の肩を抱くように車に連れて行った。
< 85 / 164 >

この作品をシェア

pagetop