無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 リディアは心からの祝福を贈る。
 王宮魔術師になれば寮もあれば給与もたくさん貰える。いよいよレイも巣立ちのときか、と感慨深い。

「え? 俺、王宮魔術師にならないよ?」

 レイはさらっといい放つ。

「えっ?」

 リディアは驚いた。


「なんで!」
「そうだ、なぜだ!? こんな逸材、他にいないぞ!」

 試験官まで、リディアと一緒にレイに詰め寄る。

「だって、リディアの結果が」

 レイはリディアの顔をじっと見る。

「私?」

 当然不合格だったが、想定の範囲だ。

「……もしかして、私が王宮魔術師になれないからレイも辞退するつもり!?」
「うん、そうだけど」
「本気なの⁉」
「本気だよ」

 レイは頷く。

「なんて勿体ない! 国に仕える栄誉を……!」

 今度は試験官が説得にかかる。

「いらない」

 とりつく島もない。何を言ってもレイは一切揺らがなかった。

「リディア。俺魔法使えるようになったから、先生のなんでも屋で働くよ」
「……うん。それがいいかもね」

 これ以上の説得は無理だと、リディアは諦めたのだった。


  ◇ ◇ ◇


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