無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「困りましたね。彼がいないと、私が使う魔力が足りません。先日、結界が揺らいだのをあなたもご存じでしょう?」
「今、奴隷商からフォシニを大量に仕入れられるよう手配しております」
「他のフォシニでは間に合わないんですよ。何人のフォシニがこの110日間で使い物にならなくなったと思っているのですか?」
「も、申し訳ありません!」

 再び部下の男は頭を下げる。ダリウスの静かな怒りに恐怖を感じているのか、その体は小刻みに震えていた。

「とにかく、ありとあらゆる場所を探すのです。わかりましたね」
「は、はい!」

 部下は慌てたように部屋から出ていく。ダリウスはその姿を見送りつつ、舌打ちした。

(この、役立たずが)

 魔法庁トップであるダリウスは、高度な魔法を使う分、消費する魔力も多い。そのため、常に複数のフォシニを所有している。
 彼の所有するフォシニは全員魔力量が多い最高品質な者ばかりだが、中でも圧倒的な魔力量を誇るお気に入りのフォシニがいた。そのフォシニが、数カ月前に逃げ出したのだ。

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