無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「一緒に受けた応募者?」
「はい。こちらはリディア・グリーン。グリーン子爵家のご息女です」
「グリーン子爵家ですか」

 グリーン子爵家は、有能な魔術師を輩出することで有名な名家だ。ただ、そこの娘はグリーン子爵から勘当されていると記憶している。グリーン子爵が以前「親の言うことを聞かないとんでもない娘で──」と憤慨しているのを見かけたことがある。

「確か彼女は──」

 先日、結界が揺らいで街中に魔獣が現れるという事件が起きた。その際に魔獣を退治した魔法使いがリディア・グリーンのフォシニらしいという情報は、ダリウスにも入っていた。
 王宮魔術師並みの強さだったという目撃情報はさすがにでたらめだと思ったが、魔法を使えるフォシニということは魔力を自己生成できるソルヴィアだ。
 そこで希少なソルヴィアを是非ともこちらに引き入れたいと思い人を送って大金をちらつかせたが、彼女は決して自分のフォシニを売らなかったという。

(つまり、そのフォシニがレイという男というわけか)

 ダリウスは考える。

「リディア・グリーンはあと少しで受かるレベルでしたか?」
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