無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「大丈夫じゃない。リディアは俺が守るって決めてるんだ」

 強い調子で言われて、リディアは戸惑う。まるで恋人に告げるかのような真剣な様子に、ときどき年甲斐もなくドキドキしてしまいそうだ。

 つい最近、レイとリディアが一緒にいるところをごろつきに絡まれるという事件が起きた。
 その際はレイが一瞬でごろつきを退治してくれたので事なきを得たが、もしリディアがひとりだったら連れ去られていた可能性もある。

 ちなみに、リディアに掴みかかろうとしたごろつきはレイの魔法によって片腕の骨を粉々に粉砕された。それでも、駆け付けた警邏隊に「魔力の調整がうまくできなくて……」と殊勝な態度を見せたおかげで注意されるのみで済んだ。
 この国がいかに魔法使いを優遇しているかがわかる。

「とにかく、一緒に行くから」
「……うん」

 リディアは頷いた。


 中心街から裏通りを歩くこと十数分、イマンの薬店は細い路地裏にある。

「あらリディア、いらっしゃい。今日もレイ君と一緒なのね」

 リディアに気づいたイマンは明るく笑いかけてくる。

「はい。先日の一件以降、必要以上に心配されちゃって」
< 108 / 221 >

この作品をシェア

pagetop