無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「違う、必要な心配だよ」

 レイがぴしゃりと訂正する。その様子を見たイマンは「あらあら」と笑った。

「仲がよくていいことね」
「仲が良いというか──」

 心配性なんです。そう言おうとしたが、レイが遮るように口を開く。

「はい。リディアとは仲良しです」

 いつもお客さんに向ける塩対応が嘘のように、レイはにこにこしている。レイのことは弟のように可愛いと思っているが、若干、いや、だいぶシスコンの気があるような気がして、ときどき心配になってしまう。

「そういえば、リディア。つい昨日のことなんだけど、あんた達について聞いてきた男がいたよ」
「え? 誰でしょう?」
 
 リディアは心当たりがなく、首をかしげる。

「それがさ、魔法庁の関係者だったわ」
「魔法庁……」

 魔法庁と聞いて思い出したのは、先日の王宮魔術師採用試験のことだ。
 レイは複数の試験官に是非入庁するようにと説得されていたが、結局は首を縦に振らなかった。もしかすると、再度レイを説得しようとしているのかもしれない。

「教えてくださりありがとうございます」

 リディアは頭を下げる。

「いえ、いいのよ。またね」

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