無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 レイの低い声があたりに響く。彼が片手を上げるのと同時に、黒装束の連中の首が締め上げられた。

「た……助け……」

 青くなった黒装束の男たちは首元を搔きむしる。

「助けるわけないだろ? お前らのせいでリディアが危険にさらされたんだから」

 レイは冷笑を浮かべる。
 そのとき、背後から別の男が現れてレイに斬りかかった。

「レイ!」

 ハッとしたリディアは思わず叫ぶ。


 とっさにリディアを庇うように避けたレイに怪我はなさそうに見えたが、洋服の一部がざっくりと切れてしまっている。

「次々出てくるね」

 レイは感情の籠らない声で言うと、その男に向かって手を振る。すると、男は吹き飛ばされて沿道のきに叩き付けられ、その場に崩れ落ちた。

(何この人たち。私達……ううん、レイを狙っているの?)

 明確な殺意を感じてリディアは震える。

(誰かに助けを──)

 そう思うのに、足が震えてもつれてしまう。
 残る黒装束の男たちは分が悪いと悟ったのか、リディアのほうをじろっと見た。

「え?」

 目が合い、背筋がゾクッとする。
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