無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 驚いた顔で固まるレイを見て、リディアはハッとする。以前脱げと言ったらレイが全裸になってしまったことを思い出す。

「怪我を見たいの! 昨日の連中とやり合ったときに怪我したんじゃないかと思ったの。だから、確認させて」
「うん」

 レイは頷くと、服を脱ぎ始める。大きな怪我はないものの、ところどころに痣や傷がある。
 
「薬塗るね」

 リディアは塗り薬を手に取ると、レイの肌に指を沿わせる。

「リディア、くすぐったい」
「我慢して」

 身を捩るレイに構うことなく作業していると、フォシニの刻印が目に入った。だいぶ薄くなったが、やっぱり消えることはない。

「あと少しなのに」

 リディアは、再び薬を指先に付ける。

「リディアがこの上から刻印したら、目立たなくなるかも。リディアにだったら、喜んで魔力をあげるよ」
「そういうこと言わないで」
「本当なのに」

 レイは悪びれる様子もなく口元に笑みを浮かべる。
 リディアはレイの発言を軽くながし、再び刻印に視線を落とす。

(誰がレイにこれを入れたんだろう)

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