無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 能無し魔女と言われ続けてきたけれど、ちゃんと人の役に立てているのだと自信がわいたような気がした。

「とにかく、消えたならよかったな」
「はい」

 リディアは頷く。

「あ、師匠。もうひとつご報告が」
「今度はなんだ?」
「実は、昨日の帰り道に殺されかけました」
「はあ?」

 まるで世間話をするかの調子で「殺されかけた」と報告するリディアに、シリルは呆気にとられる。

「一体どういうことだ⁉」
「それが実は──」

 リディアは昨日あった出来事をシリルに順を追って話す。話を聞き終えたシリルは頭を抱えた。

「つまり、誰が何の理由でそんなことをしたのかさっぱりわからないってことだな?」

 シリルの確認に、リディアは頷く。一方のレイは少し考えるような様子を見せる。

「レイ、心当たりがあるのか?」
「知っている奴がいたわけじゃないんだけど、前のご主人様の部下にああいうやつらがいたなと思って。魔法を使えて剣も使う人」
「え? それって、レイの前のご主人様がレイを殺そうとしているってこと⁉」
「うーん、そうかもね。逃げたから怒ってるのかも」

 レイはあっけらかんと答える。
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