無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
リディアは意味が分からず、シリルに聞き返す。彼の表情は、いつになく真剣だった。
◇ ◇ ◇
ゆったりとした椅子に座って魔力の補充をしていたダリウスは、トントンというノックの音で閉じていた目を開く。足元に転がるフォシニは魔力を取られ過ぎて浅い息を吐いていた。
「なんでしょう?」
「失礼します。昨晩派遣した部隊ですが──」
そう言った部下の男は、青い顔をしている。
「全滅しました」
ダリウスはぴくっとこめかみを動かす。冷ややかな目で部下を見た。
「昨晩、あなたは何人の部隊を派遣したと言っていましたか?」
「十二名です」
「…………」
十二名。それも、いずれも魔法を使えて剣の腕も立つ者だけを選抜して現地に向かわせた。グレーの髪の青年を殺せと命じて。
(誇張していると思っていたが、町に突然現れた魔獣を一撃で退治したというのも事実なのか?)
王宮魔術師試験に颯爽と現れて史上最高得点を叩き出したにもかかわらずあっさりとその座を辞退した。
十二人の優秀な魔法使いをひとりで相手にし、全滅させた。
◇ ◇ ◇
ゆったりとした椅子に座って魔力の補充をしていたダリウスは、トントンというノックの音で閉じていた目を開く。足元に転がるフォシニは魔力を取られ過ぎて浅い息を吐いていた。
「なんでしょう?」
「失礼します。昨晩派遣した部隊ですが──」
そう言った部下の男は、青い顔をしている。
「全滅しました」
ダリウスはぴくっとこめかみを動かす。冷ややかな目で部下を見た。
「昨晩、あなたは何人の部隊を派遣したと言っていましたか?」
「十二名です」
「…………」
十二名。それも、いずれも魔法を使えて剣の腕も立つ者だけを選抜して現地に向かわせた。グレーの髪の青年を殺せと命じて。
(誇張していると思っていたが、町に突然現れた魔獣を一撃で退治したというのも事実なのか?)
王宮魔術師試験に颯爽と現れて史上最高得点を叩き出したにもかかわらずあっさりとその座を辞退した。
十二人の優秀な魔法使いをひとりで相手にし、全滅させた。