無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「それでは、暫くお待ちさせていただいても?」
「魔法庁の方が、一体なんの用ですか?」

 リディアは警戒しつつ、尋ねる。

「レイさんと、少しお話させていただきたく」
「王宮魔導士になら、ならないと思いますよ。私も説得しましたけど本人の意思は変わらなかったので」
「えっと……その話もそうなのですが、是非ともご本人とお会いしたく──」

 会っても無駄だと伝えているのに、男は同じ言葉を繰り返す。

(なんでこんなにレイに会いたがってるの? ますます怪しい……)

 相手が熱心であればあるほど、逆に怪しく感じる。
 リディアは絶対にこのドアを開けるものかと決意する。

「とにかく、お引き取りください。レイと会わせることはできません!」
「そこをなんとか──」

 男がそう言いかけたそのとき、「あれ? お前、カーティスか?」と第三者の声がした。
 リディアは窓から声のほうを見る。そこには、驚いた表情のシリルが立っていた。

「シリルさん⁉ お久しぶりです」

 男の横顔に、喜色が浮かぶ。

「おお! やっぱりカーティスか! 本当に久しぶりだな」

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