無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 信じようとしないシリルに、カーティスは告げる。

「それにしたって、突拍子もなさ過ぎる。もし本当にそうだったとしても、それを証明することもできない」

 シリルは眉根を寄せる。カーティスは考えるように、口元に手を当てる。

「レイさん。少し、触れさせてもらっても?」

 レイは嫌ともいいとも言わなかった。カーティスはそれを「いい」と受け取ったようで、レイの胸の辺りにそっと触れる。数秒後、ハッとしたように手を離した。

「そんなバカな……」

 その表情は驚愕に満ちており、顔色は気の毒なほど真っ青だった。
 明らかに様子がおかしいと、シリルは怪訝な顔をする。

「カーティス? どうした?」
「そんなはずはない……」
「カーティス!」

 シリルが強い調子でカーティスを呼ぶ。すると、カーティスはハッとしたような顔をした。


「あまり知られていませんが……王族は母親の腹の中にいる時点で王宮魔術師に加護を受けます。洗脳や精神干渉から身を護るためです」
「ああ、知っている。だが、それが今何の関係がある?」
「レイさんには、私の加護の痕跡があります」
「なんだと⁉」
 
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