無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 シリルは素っ頓狂な声を上げる。
 リディアはそれがなにを意味するのか分からなかった。

「レイは、カーティスさんが加護を与えた王族だってことですか?」
「はい。ですが、元平民である私が加護を与えた王族はふたりしかいないのです」
「そのふたりって?」
「側妃殿下の子……第二王子と第三王子殿下です。なので、レイさんは第二王子のアシュレイ・ルクレイン殿下です」

 リディアは息を呑んだ。

「……第二王子?」

 掠れた声が漏れる。

 信じられなかった。
 奴隷として売られていたレイが、傷だらけで名前すらなかった彼が、王族だなんて。
 しかも第二王子は──。

「……第二王子って、生まれてすぐに亡くなったんじゃ?」
「はい。そのはずです。ですが、第三王子はご健在ですから」
「……どういうこと?」

 リディアは混乱した。

 第二王子と第三王子に加護を与えたカーティス。
 その加護を持っているレイ。
 死んだはずの第二王子。

 そこから導き出される答えは──。

「第二王子は死んでいなくて、フォシニとして生きていたってこと?」
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