無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「お前、自分が何を言っているかわかってるのか?」
「わかってる!」

 レイは語気を強める。

「戻らない。身分も金も親もどうでもいい。俺はリディアのそばにいる」

 リディアの胸が大きく鳴る。

「レイ……」

 カーティスは困惑したような表情を浮かべ、シリルは呆れたように額を押さえた。

「……相変わらず、重症だな」
「うるさい」
「まあ、お前らしいがな。で、どうする?」

 シリルはカーティスに目を向ける。カーティスはじっと目を閉じてから、おもむろにレイを見つめる。

「わかりました。今はあなたの気持ちを尊重します。ただ、私は王宮魔術師という立場で国に仕える身。今明らかになったことを報告しないわけにはいきません。それはいいですね?」
「だめって言ってもどうせ報告するんだろ」

 レイはカーティスを睨む。

「申し訳ありません。ですが、あなたを不幸にしたいわけではないんです」
「どうだか。リディアと引き離そうとするやつが俺の幸せを願っているとは思えないけど」

 カーティスは苦笑する。しかし、リディアは全く笑えなかった。

(……嘘でしょう?)

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