無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 気づけば、リディアはソファーに押し倒されていた。上から覆いかぶさるように、レイがリディアの顔を覗き込んでいる。

「レイ、何するの……!?」

 驚いたリディアはレイに抗議する。

「俺のこと、弟みたいに大切だって?」
「ええ、そうよ」

 リディアはこくこくと頷く。

「残念だけど、俺はリディアのことを姉だと思ったことは、一度もない」
「……そっか」

 答えながらも、内心ではショックだった。
 少なからず懐かれていると思っていただけに、全部自分の勘違いだったのだろうかと悲しくなる。

「じゃあ、なおさらなんの未練もなく王宮に──」
「リディアはさあ、俺が欲しいもの、ちゃんとわかってる?」
「え?」

 リディアは言葉に詰まった。ギシッとソファーのスプリングが軋む音がして、レイの顔が近づく。

「俺はリディアのそばがいい。リディアがいれば、それでいい」

 熱がこもった囁きが聞こえると共に、唇に温かいものが重なる。

「――っ!」

 一瞬、何が起きたかわからなかった。

 抵抗しようとレイの胸を強く押すが、びくともしない。
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