無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 レイはリディアの後頭部に手を回し、逃げられないように頭を固定した。

(なんで、なんで、なんで!)

 柔らかくて、温かくて、力強い。
 逃げようとしても逃げられない、強引なキスだった。
 けれど、十分すぎるほど甘くて、リディアの息は乱れる。

「レイ、なん……で……」

 ようやく唇が解放されたとき、リディアは息も絶え絶えだった。
 レイはそんなリディアを見下ろし、唇に弧を描く。

「目がとろんとしてる。気持ちよかった? 可愛い」
「そんなことっ!」

 羞恥で顔が熱くなるのを感じる。

「ほっぺが真っ赤だね。リディアはなにしていても可愛い」
「レイ……」
「何? 弟とこんなことするなんて、悪いお姉ちゃんだね」

 わざと耳もとで息を吹きかけるように、からかうような声音で囁かれる。
 そうしてまだ唇が重なる。今度は一回目よりももっと深く、長く。

「……リディア。俺から離れるなんて、許さない。俺はリディアのものでしょ? だから、ずっと一緒にいようね」

 リディアはどこか現実感なく、レイの囁きを聞く。どこか狂気じみているのに、本気で拒むことができない。

(レイ……)

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