無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 当の本人であるレイは、呑気に本棚にはたきをかけている。

「これだよ、これ!」

 シリルは持っていた新聞を両手で広げ、ずいっとレイの目の前に突き出す。

「さあ?」
「さあ、じゃない! お前、犯罪者扱いされているってことだぞ!」
「そうなんだ?」

 レイの呑気な反応に、シリルは頭を抱える。

「お前な。少しは焦らないのか?」

 肝が据わっているというのか、抜けているというのか。
 とにかく、動揺している自分がアホらしくなるほどの平静さだ。

 と、そのとき、店のドアがバンッと開く。

「レイ! これはどういうこと!?」

 そういいながら入ってきたのは、リディアだ。いつも薬を入れている籠バックを腕にかけ、手には紙を握りしめている。

「リディア!」

 レイはリディアを見ると嬉しそうに近寄り、ぎゅっと抱きしめる。リディアは「ちょっと、ちょっと!」とレイの胸を押し返した。

「どうして嫌がるの」

 レイは不満そうに眉根を寄せる。

「今、それどころじゃないでしょ! これを見て!」

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