無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「ああ。レイがフォシニだったことは以前リディアの家を訪ねてきた際に説明したな?」

 シリルは視線を鋭くする。

「レイをフォシニにしていたのは、恐らくダリウス長官だ」


「ダリウス長官が……?」

 カーティスはすぐには理解できず、シリルを見返す。

「ああ、考えてもみろ。王宮から王子を連れ出すことができて、レイほどの人物をフォシニとしてこれまで従えることができて、自由に動かせる魔法使いの部下が複数いる。こんな奴、他にいるか?」

 逆に聞き返されて、カーティスは答えに窮した。
 言われてみれば、シリルの言う通りだ。
 それに、第二王子の死亡確認をしたのはダリウスだ。

「しかし、第二王子の遺体は葬儀の際に多くの人々が目にしています。それについては──」
「魔法で仮死状態にでもしたんだろ。あいつなら、朝飯前だ」

 シリルの言葉に、カーティスは返す言葉が見つからなかった。
 ダリウス・クロウウェル──この国で最も才能あると言われる大魔術師だ。シリルの言う通り、ダリウスであればそれくらい朝飯前だろう。

「すぐにダリウス長官を探して、真偽をたださねば」
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