無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
『お前が噂の魔法使い? ふうん、確かに見目もいいし、若いわ』

 ダリウスを見るなり不遜な態度でそういい放った令嬢こそ、まだ王太子の婚約者という立場だったルミナスその人だった。
 人によってはなんて無礼な女だと怒るかもしれない。けれど、ダリウスはその逆だった。
 誰もが自分にひれ伏すのが当然だと思っている、その圧倒的な雰囲気と彼女の美しさに思わず見惚れた。そして、彼女のそばにいたいと願った。

 振り返れば、それは一目ぼれであり、ダリウスにとって遅い初恋だったのかもしれない.。


 それからも、ルミナスは時間の合間を縫っては魔法庁を訪ねてきた。
 新しい魔法を見せれば喜び、目を輝かせる。それはダリウスにとって、至福の時間だ。

 やがてルミナスは王太子妃となり、王妃となった。
 この恋が報われなくても構わなかった。彼女が幸せであり、その近くに自分の存在があればそれでよかった。
 決して手の届かない、高嶺の花。触れられそうで触れられない、宝玉。それがダリウスにとってのルミナスだったのだ。

 転機はルミナスが妊娠したときにやってきた。
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