無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「お願いだから、俺の魔力を受け取って。リディアを守りたい」
「……うん、わかった」
「刻印の場所だけど、前と同じ場所にしてもらってもいいかな? リディアの刻印で上書きしてほしいから」

 レイが服を捲り上げる。
 かつて刻印があった場所は、今は綺麗に消えていた。

 リディアはすうっと息を吐くと、そこに手を当てる。
 フォシニの契約魔法は、魔法学で一番最初に習う。これができないと、魔力の供給を受けられず魔法を使えないからだ。
 けれど、リディアは一度もその魔法を実際に使ったことがない。

(上手くできるかしら。怖い……)

 もし自分が失敗してしまいレイに何かがあったら。そして、もし自分が魔力を奪いすぎてレイがジェイのようになってしまったら。
 そう思うと、怖くてたまらなかった。


 震える手に気付いたレイが、リディアの手に自分の手を重ねる。

「リディア、大丈夫だよ」

 安心させるような、優しい声。手元が鈍く光り、レイの魔力が自分に流れ込むのを感じた。温かくて、安心するような心地よい魔力だ。

「……レイ。大丈夫?」

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