無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「開いた! そうか、ダリウスはレイから魔力供給を受けていたから、登録されていた魔力もレイの魔力に酷似してたんだな」

 シリルは興奮気味に言う。

 中に入ると、ひんやりとした空気が皮膚を撫でる。
 窓のない石造りの部屋。レイにとって、二度と足を踏み入れたくない場所だ。

「リディア!」
「レイ!?」

 リディアは部屋の片隅に座り込んでいた。頬には先ほどまではなかった擦り傷と痣があり、足首には足枷が付いていた。服も薄汚れ、裾の一部が裂けている。

 その姿を見た瞬間、頭に血が上る。

「あのくそ野郎。リディアにこんな酷いことをするなんて──」

 レイはリディアに駆け寄ろうとする。そのとき、リディアの首に絡まる魔法の紐を見てハッとする。

「リディア、それ……」
「動くな」

 低い声がした。
 いつの間にか、ひとつだけしかない部屋の入り口に、ダリウスが立っていた。


「……お前がリディアにこんなことをしたのか?」

 レイは殺気だった目でダリウスを睨み付ける。

「久しぶりの再会だというのに、最初の言葉がそれですか? 随分と偉そうな口をきくようになったものですね」

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