無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 ダリウスはレイの質問に答える代わりに、嘲笑交じりの目で彼を見つめた。

「黙れ! リディアには何も関係ないだろ!」
「仕方なかったのですよ。お前があまりにも聞き分けがないので、ご協力いただくことにしたんです」

 次の瞬間、ドーンと大きな衝撃音と共に爆風が吹き荒れる。魔法弾で吹き飛ばされたダリウスは壁に叩きつけられた。

「お前は確実に殺す」

 レイは凍てつく目でダリウスを見下ろす。

「生意気になったものだ」

 口元の血をぬぐったダリウスは薄ら笑いを浮かべる。次の瞬間、今度はレイが吹き飛ばされて壁に衝突した。

「レイ!」

 リディアは叫ぶ。

(どうしよう、レイが……)

 今の衝撃で死んでしまったのではないかと体が震えた。

「……服が破れた。リディアが新しく買ってくれて卸したてなのに、どうしてくれるんだよ」

 はっきりと聞こえた声に、リディアはハッとする。がれきの中から、不機嫌そうな顔をしたレイが現れた。体は無傷に見えるが、服は今の衝撃で破れ、そこかしこに汚れが付いている。

「防御魔法ですか。いつの間に覚えたんです?」
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