無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 カーティスが、必死に止めようとする。

「だまれ! お前たちも一緒だ。動いたらこの女を殺す」
「くっ!」

 カーティスとシリルも動きを止める。
 ダリウスの様子からして、下手に動けば本当にリディアが殺されてしまうだろう。

「……何が望みだ?」

 レイはぎりっと奥歯を嚙むと、低い声で問う。

「簡単なことですよ。まずそこのおふたり。あなた達には私の忠実な僕になってもらいましょうか。なにせ、お前が私の優秀な部下を何人も殺してしまいましたからね」

 ダリウスは薄ら笑いを浮かべながら、答える。

「誰がおまえみたいな悪人に仕えるか。バカも休み休みに言え」

 反抗したのはシリルだ。

「なら、死んでもらうまでです」

 ダリウスは笑う。
 軽く手を一振りすると、シリルの体がドンッと吹き飛ばされ床に倒れ込んだ。

(師匠!)

 無事か確認したいのに、首が締って声が出ない。涙で視界が滲む。

「そしてお前。またフォシニとして使うつもりでしたが、あまりにも危険すぎます。ここで死んでもらいましょう」
 
 レイは暫く俯いて黙り込んでから、ようやく口を開いた。

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