無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 だが、ダリウスが勝ち誇った顔をしていたのも数秒の間だった。
 目を見開き、ゲホッと血を吐く。

「貴様、何をした⁉」
「別に何も? 何かしたのはあんただろ。俺の魔力を奪った」
「……っ! まさか、その刻印は私のではないな⁉」

 ダリウスは体をくの時に折り、もだえ苦しみながらも驚愕に満ちた表情を浮かべる。

「正解! 苦しいでしょ。一気に魔力奪ったもんね」

 苦痛に顔を歪ませるダリウスを見下ろし、レイはせせら笑う。
 それと同時に、リディアの首を絞めていた紐が消え去った。

「体内で魔力同士が喧嘩をしてうまく魔法を維持できなくなったんですね」

 カーティスが言う。
 
「レイ!」

 リディアはレイに駆け寄る。そのままぎゅっと抱きつくと、レイは難なくリディアを受け止めた。

「リディア、大丈夫? ここ跡が残ってるね。やっぱりこいつは、楽に死なせちゃだめだな」

 レイはリディアの首に指を添わせ、怒りをあらわにする。

「1時間に1センチずつ、首を絞めていってじわじわ殺すのなんてどう? あんた、首絞めるの好きだもんね。俺の首もよく首輪で絞めてたし、同じようにしてやるよ」
< 199 / 221 >

この作品をシェア

pagetop