無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「早く見つけ出すのだ! それと、今いる王宮魔術師を総動員して結界を修復せよ」

 国王は強い口調で命令する。

「かしこまりました」

 幹部の男は頭を下げると、慌てて出て行った。
 国王は額に手を当て、背もたれに体を預ける。

 都市を守るための大規模な結界が急に消えたのは三十分ほど前のこと。
 最初に報告を受けたときは、誰もが冗談を言っていると半信半疑だった。しかし、魔獣が現れたという情報まで続けてきて、皆これは事実なのだと理解した。

 ダリウスが大魔術師と称賛され強い権力を持つようになったのには、理由がある。圧倒的な魔法の技術と魔力量を誇る彼が現れたことにより、結界の性能が飛躍的に伸びて、魔獣による被害が急減したのだ。
 国はその見返りに、ダリウスに魔法庁長官の地位を与えただけでなく、歴代長官とは比較にならないほど多くの権限を与えた。
 例えば、私的な魔術師部隊を持ったり、王族に自由に会える権利などだ。

「一体どこに行った?」

 そのとき、バシンとドアが開いて騎士が会議室に飛び込んできた。

「国王陛下にご報告申し上げます」
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