無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「サファエル? お前がどうしてここに? それより、これは一体どういうことだ⁉」

 第三王子のサファエルは病弱で、普段王宮の敷地内にある離宮に引きこもっている。舞踏会のときすら滅多に参加せず、用もなくこんなところに来る人物ではない。

「ダリウスを探しているとお聞きして、連れて参りました」

 サファエルは視線で、中年の男が引きずっている男を指す。
 引きずられる男がダリウスだと認識した国王は目を見開いた。

「お前はダリウス? こやつは一体どうしたのだ? 傷だらけだし、ひどく苦しんでいるように見える」
「フォシニでない者の魔力を取り込み、体内で魔力が暴走しているんです」

 サファエルは感情の籠らない口調で答える。

「フォシニでないものの魔力を? どうしてそんなことを?」
「それは私が説明しましょう」

 今度は、リディアが一歩前に出る。

「そなたは?」
「はじめまして。グリーン子爵家のリディア・グリーンと申します」

 リディアは頭を下げ、既に縁を切った実家の家名を名乗った。
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