無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 貴族であるかどうかは、周囲を信頼させるために重要な意味を持つ。そのため、大いに利用させてもらうことにしたのだ。

「グリーン子爵家か。魔術に長けた名家だな。しかし、そこの令嬢が一体どうして?」

 国王は未だに解せない様子だ。

「はじまりは、今から二十二年前のことです──」


 リディアは、レイやカーティスの話からわかったことを、順を追って話した。
 国王は眉間にしわを寄せたまま、話に聞き入る。

「──言っていることはわかった。しかし、すぐに信じろと言われても無理だ。アシュレイが生きていただと? しかも、こやつのフォシニとして?」

 国王は混乱を隠さぬ様子で、額に手を当てる。

「はい。生きています」
「では、肝心のアッシュはどこに?」
「今、ここに向かっているはずです」

 リディアは入り口に目を向ける。ちょうどそのとき、騎士が歩いてくるのが見えた。

「陛下! 謎の魔術師を連れて参りました」

 そう言う騎士の後ろにいるのは、レイとカーティスだった。

「リディア!」

 レイはリディアに気付くと、真っ直ぐに寄ってきてぎゅっと抱きしめる。

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